～北朝鮮へコロナワクチン外交～

もし日本でコロナワクチンを開発できたなら、私ならこういう外交をしたいです。

①「平壌宣言を破棄する。まっさらなところから日朝関係を構築したい」

②「未来志向の日朝関係の手始めとして、我が国で開発したコロナワクチンの提供を申し出る。我が国から歩み寄る姿勢として受け取ってもらいたい」

③「諸懸案については後でもよい。双方でじっくり話し合いの機会を持ちたい」

 　これで十分です。表面上はとてもオープンで日本が譲歩したような文面ですが、北朝鮮にとっては核兵器を撃ちたくなるような内容です。

　①の平壌宣言破棄の時点で、北朝鮮は宣言で約束された永遠の経済援助が破棄されます。このままだと本当に核兵器を撃ち込まれかねません。

　しかし②より、現在北朝鮮が抱えている問題の解決が提案されています。北朝鮮はコロナ感染で金正恩というトップが死亡するという事態を恐れています。金正恩は不健康ですからね。そのため死亡説や影武者説が流れるくらい、不要不急の外出をしない。これが日本提供のコロナワクチンで危機を回避できるのであれば、まず検討してみようという気にはなるはずです(表では戦争が起きるぐらいの緊迫した外交が飛び交いますが)。

　日本国民から見れば③より、拉致問題を含めた諸懸案をのんびり交渉するように見えますが、宣言を破棄する(永遠の経済援助が白紙になる)ということは、急いで未来を担保する交渉を日本から引き出さなければならないのは北朝鮮の方です。内部崩壊の恐れがありますので。曹操と梅の実のように、「この苦境を乗り越えれば日本から永遠の援助をもぎ取れるぞ。好きなだけありつけ」と中枢をなだめてきたわけですから。平壌宣言を破棄すれば、日朝会談はあちらからやってくるのです。

　ちなみに日本製コロナワクチンが毒ではないことを信じてもらうために、

・北朝鮮が中国に対する自主性を維持するために瀬戸際外交を続けていることを理解する

・金日成の血統である金正恩が北朝鮮統治に必要であることを理解する

・永遠は約束できないが、北朝鮮復興に十分な援助をする用意がある

・その代わり、棘となっている拉致問題に関して全面的な解決と協力を要求する

　このぐらいは伝える必要があるんじゃないですかね？日本がどういう方向性を持って金正恩・北朝鮮との関係を望んでいるか、日本として最低限の要望は何か、それぐらいは伝えないと、疑って乗ってこないでしょう。

…まぁ、この程度の戦略性すら日本政府にはないでしょうが。