帰国15年 未解決の拉致問題について語る蓮池薫さん(文字起こしと個人的解説)
朝日新聞DIGITAL
「拉致問題は日本国家の問題であると同時に家族の問題なんですね。家族の皆さんが生きている内に会って一緒に暮らせるようにする、そこに本質的な解決があるわけで、それがどんどんこう、歳月が経って、年老いて、病気になられて、っていう状況の中で、まあ、もう本来の解決がもう、出来なくなってしまう。そういう危機に陥っているわけです。
まあ北(に対して?)は、もう、日本で拉致被害者の家族の皆さんの世代が代われば収まるだろうみたいな考え方を断固否定するべきだと思います。つまり親子の関係で、いわゆるその会わせない限り、解決なぞありえないぞ、と。帰すなら今であり、今帰して、それなりのあなたたちの求めるものの一部は手に入る。まあ、そのぐらいの強いメッセージを送っておくべきだと思います。」
(中略)
―安倍首相の訪朝を求める声について
「それはもう賛成です。ただ、賛成ですが、すぐに行って、0の状態で行って話し合ったって結果は出ませんよ。金正恩委員長としてはまだ外交デビューしていません。ところが日本の総理が来る、2002年もそうでした。小泉さんが直接行くっていうのは大きなカードだったんですよね、目で見て。とにかく米朝で話し合いが始まったような段階だったら安倍さんは行く、行けると。それを手助けしますと。その時に拉致というものを一挙に進めましょう、と。それがまさに問題解決の道筋になる。」
北朝鮮は拉致被害者家族が亡くなり、拉致問題が風化していくのを待っています。そうなることは拉致問題解決の危機です。蓮池薫さんは逆転の発想でこれを交渉カードとして突き付けることを提案しています。「拉致被害者家族が亡くなることは拉致問題の風化ではなく、永遠の未解決であり、日朝国交正常化と経済支援は手に入らないぞ」と、強いメッセージを送るよう提案しているわけです。
北朝鮮は日朝国交正常化による経済支援がなければ未来がありません。その妨げとなっていたのが拉致問題ですが、工作活動の全貌が明かされることや、金正日が発表した「全員死亡」を覆すことは主体思想を揺るがしかねません。なんとしてでも拉致問題を今の形で終わらせて、日朝国交正常化をしたい。それゆえ風化・終了を待っているわけですが、それが終了とならないとなれば確かに強いメッセージになります。
また、蓮池薫さんの発言は時間の加減か、少し手短になっていると思います。
「…帰すなら今であり、今帰して、それなりのあなたたちの求めるものの一部は手に入る」
一部…、と付け加えられています。これは核・ミサイルを含めた今の情勢で一挙に動かすことは出来ないが、被害者家族も高齢になってきており急がなければならないため、緊急人道支援のような形で少しずつ取り返していくことを示唆していると思われます。北朝鮮包囲網を形成する米国からは強い反発があるでしょうが、被害者家族が生きているうちに拉致被害者が帰国するためには、そのぐらいの手立てが必要なほど、時間的に逼迫した事態ではあるのです。それが拉致被害者家族が今まで反対してきた、後半の安倍総理訪朝・容認への変化に繋がっているのではないでしょうか。
2002年の5人帰国以来、15年もの長きに渡りなにも進展しなかった拉致問題。ODAに寄生する経済界、いかがわしい言論人、槙田邦彦や田中均をはじめとした売国奴の温床・外務省や同類の政治家、何も出来なかった歴代総理大臣。彼らの罪は重いです。だから横田めぐみさんの弟・横田拓也さんは「政府の不作為」と怒りをあらわにするのです。
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