安倍総理の拉致問題解決を阻む敵は誰か

  はじめに。
安倍総理支持者の方も最期まで読む気になるようにあえてこう書きます。「安倍総理は、本当は愛国心溢れる気持ちを持っているのだけれど、敵が阻むからやりたくてもやれないんだよ」と。
 
 
では本文。
保守の期待を受けて誕生した第二次安倍政権。しかし振り返れば高い支持率であっても日韓合意、靖国不参拝、対中援助増加、日朝平壌宣言堅持…という結果です。保守派の高い支持が招いた悲劇ともいいましょうか。「保守の安倍総理のやることだから間違いない」という保守派の慢心が招いた失敗とも言えます。前述の結果は売国奴や左翼の喜ぶ結果ですが、安倍総理を信じたい保守派はなんとか好意的に理解するように解釈してきました。左派マスコミが批判していれば、保守派としてはなんとなく正しいことの様に思えてきますし、保守派言論人が褒めていれば、やはり正しいことのように思えてくるのは致し方ないと思います。
 
拉致問題についてもそうです。当ブログで述べてきたように、日朝平壌宣言を破棄出来ない安倍政権は拉致問題について本気の対応を行っていません。それは安倍総理がやろうとしているのに阻止する敵ばかりで、安倍総理がやりたくてもやれないのです。
安倍総理を阻むいくつかの敵を挙げていきます。
 
 
①外務省
アメリ
中国、ロシア、韓国
日本の経済界(とりわけ対中ビジネスに絡む企業やODAに寄生する企業)
 
 
 
 
 
 
①外務省
 外務省はその役割から他国との国交を維持すること、結ぶことを重視しています。他国と外交をする窓口な訳ですから、当然とも言えます。しかし日本の外務省に抜けているのは、戦後レジームというべきか、国益に適わないなら近隣国と断交する、という概念がありません。どれだけ頭を下げてでも国交を作りたい。国民の命を犠牲にしてでも国交を持つことが上位にくる外務省のこの考えはもはや宗教的とも思え、我々国民には理解しがたいものがあります。
日朝平壌宣言を作成するにあたり、携わったのはアジア大洋州局長の槇田邦彦と後任の田中均でした。槇田邦彦の「たった10人のことで日朝国交正常化交渉が止まって良いのか」
という発言や、拉致問題の進展を阻害し米国国務省より「サスピシャス・ガイ(怪しい奴)」と命名された田中均の隠蔽・妨害行動に外務省・アジア大洋州局の姿勢がよく表れています。
 田中均の執拗な妨害の履歴は「サスピシャス・ガイ」で検索するとたくさん出てきます。いまや懐かしい安倍総理との攻防も…。
 
 
 
アメリ
米国の目的は北朝鮮の核・ミサイルを抑え、近隣同盟国(日本や韓国など)から核保有論が上がらないようにすることが目的です。とりわけ日本が核を持つことにより、日米安保の価値低下で種々の利益が減少することを懸念しています。平たく言えば、日本に核を持たせないために北朝鮮の核を封じ込めようとしているのです。ゆえに米国にとって拉致問題は主目的ではありません。
 また、米国は核・ミサイル問題の解決後、朝鮮半島安定化のための資金を日本に出させるため、金政権崩壊後に日朝平壌宣言の履行をするよう要求しています。米国の要求する日朝平壌宣言(による北朝鮮への経済援助)は、6者協議で約束させ、直接でも要求しています。
 


③中国、ロシア、韓国
日朝平壌宣言では日本が北朝鮮の保証人となり、世銀やADBAIIBから北朝鮮への融資を促す約束をしています。北朝鮮へ莫大な融資が行われるということは、隣接国の国々も潤うことになります。中国は環日本海経済圏構想において北朝鮮羅津港と新潟港の航行は不可欠であり、東北3省の開発にも不可欠で、その地域に工場を持つトヨタなど日本の経済界にとっても日朝平壌宣言は不可欠なのです。
拉致問題を直接邪魔するわけではありませんが、拉致問題の全面解決のために日朝平壌宣言を破棄することを彼らは絶対に許さないでしょう。



④日本の経済界(とりわけ対中ビジネスに絡む企業やODAに寄生する企業)
日本が海外へ援助をするとなると、その援助にビジネスとして経団連に名を連ねる大企業が群がります。日本の金が外に流れれば流れるだけ大きいビジネスとなるのです。また日本の円借款はアンタイドローンですから、発注権限のある北朝鮮へ良い顔がしたい(仕事を受注したいため)。仕事が欲しいので敵国の立場に寄って発言するわけです。
日本の大企業が売国奴と化すことで利益を得る背景はよく覚えておく方がいいでしょう。
一例として、靖国参拝を阻む経済界の記事を下記に。
 
 
 
奥田経団連会長・胡錦濤主席極秘会談の真相

小泉首相靖国参拝が経済関係のネックに」
北京新幹線、省エネ、環境技術胡主席が奥田氏に語る

 
 
「奥田経団連会長が中国の胡国家主席と会談したのは05930日。会談には奥田会長のほか新旧の(経団連)中国委員長である三村明夫新日本製鉄社長、森下洋一松下電器会長、国際関係の担当副会長宮原賢次住友商事会長、和田龍幸経団連事務総長の5人が出席した。」
 
「経済界は奥田会長に限らず、首相の靖国参拝には批判的で、自粛を申し入れていた。奥田会長は帰国後直ちに小泉首相と面会し、胡主席のメッセージを伝えた。」
 
 
 
 安定した政権運営に経済界のバックアップは欠かせません。経済界に阻まれ、安倍総理(それどころか全閣僚)は今も靖国神社には参拝出来ないでいます。
 
 
 
 
 
 
 ややざっくりと安倍総理拉致問題解決を阻む敵について説明してきました。前述してきた敵が安倍総理に求めることは「保守の安倍総理だからこそ日本の保守を抑えられる」ということへの期待です。安倍総理を応援し、任せることこそが冒頭に述べてきた日本の敗北となり、今後、拉致問題の敗北となるのです。
表向きのポーズでも構いません、安倍総理批判を行うことで、「安倍総理を以ってしてでも、拉致問題の切り捨ては国民の声を抑えることが出来なくなってきた」と敵に思わせることが前進を促すのではないでしょうか。少なくとも支持率が高かった今までにおいて、国益が損なわれ続けてきたことに変わりはないのですから。
 
 
拉致問題を考える上でお勧めの図書は「日朝正常化の密約(著:青木直人 祥伝社)」ですが、拉致問題に取り組む安倍総理の苦悩などについては「安倍晋三が第2の田中角栄になる日~米中同盟という国難(著:青木直人 KKベストセラーズ)」がお勧めです。
 
 
 
 
さて、その上であらためて私の立場としては、拉致問題については安倍総理批判の立場で変わりありません(これは真似しなくても良いです)。日本が本当の自主独立を果たすためには相当な困難が待ち受けており、日本のための政治を行えば謀略や暗殺の恐れもあるかもしれません。それでも日本のトップの決断が物理的に不可能なわけではない。日本のトップが正しい方向を向いて倒れてこそ、後に続く者への道しるべとなると考えるからです。
日本の自主独立への道は総理大臣の屍を以って舗装されたり、私はこう考えるのです。