かつて安倍総理が批判していた、外交官の交渉記録隠蔽



2013年6月に書かれた安倍総理Facebookでの発言を引用。



毎日新聞のコラムで元外務省の田中均氏が、安倍政権の外交政策について語っています。このインタビューを読んで、私は11年前の官房副長官室での出来事を思い出しました。拉致被害者5人を北朝鮮の要求通り返すのかどうか。彼は被害者の皆さんの「日本に残って子供たちを待つ」との考えを覆してでも北朝鮮の要求通り北朝鮮に送り返すべきだと強く主張しました

私は職を賭してでも「日本に残すべきだ」と判断し、小泉総理の了解をとり5人の被害者は日本に留まりました。予想通りその判断は毎日新聞や一部マスコミからも批判的に報道されました。


しかし、その後田中均局長を通し伝えられた北朝鮮の主張の多くがデタラメであった事が拉致被害者の証言等を通じ明らかになりました。あの時田中局長の判断が通っていたら5人の被害者や子供たちはいまだに北朝鮮に閉じ込められていた事でしょう。

外交官として決定的ミスと言えるでしょう。それ以前の問題かもしれません。


そもそも彼は交渉記録を一部残していません。彼に外交を語る資格はありません。」



 森友学園問題で揺れる国会ですが、突破口として公文書の改竄が取りざたされています(ゴールは安倍総理夫妻の関与)。前述の安倍総理の批判は、外交官であった田中均氏が行った交渉記録の隠蔽です。日朝平壌宣言締結時の交渉記録の中で、2ページ分失われているといわれており、北朝鮮への経済援助の具体的メニューの部分が欠けているようです。


 こういうところを批判する野党はいないんでしょうか?改竄どころじゃなくて隠蔽ですよ?


「官邸は交渉記録が不透明だから北朝鮮に確認を取れ!拒否されたら籠絡された田中均を罰してそんな不透明な約束は破棄して国交正常化交渉をやり直せ!」


 なんて批判しないでしょうね…。だって北朝鮮への援助内容が明らかになり、援助が出来なくなったら中国も韓国も日本の経済界も困りますものね…。だから与党も野党も支持するに値しないのです。


 拉致問題に触れず、植民地支配への謝罪と経済援助の約束だけはしっかりと書かれた日朝平壌宣言安倍総理は大事に抱きかかえ、日朝交渉の要望が朝鮮総連を通じて伝えられました。


 こんな動きの中でどうやって朝鮮総連の解体だ破産だなんて話が進むんですか()。仮にできたとしても朝鮮総連の破産なんて、この瀬戸際まで追い詰められた状況じゃ敵の殿(しんがり)でしょう。拉致被害者奪還という本体まではたどり着けるとは思えません。


 朝鮮総連の破産・解体はそれはそれでやるべきことなのですが、それは拉致被害者奪還のゴールではなく、残された時間がわずかとなった今では、結果的に目くらましのアメにしかなっていないと思うのです。