拉致問題を考える国民のつどい in 広島(飯塚代表の回答 文字起こし)


【家族会記者会見】「日朝国交正常化はありえない」


 


 飯塚代表の発言を文字起こししてみました。


【質問】
基本的に政府が日朝国交正常化ありきという方向であるが、あれだけ好き勝手にやられた状態で日朝平壌宣言破棄も言わない、そういった政府の方針、方向性について家族会の考えは?
 


飯塚代表「日朝正常化というのは、いわゆる正常ということがはっきり決まらないと、確認できないと出来ないですよね。まったくそういったことはないですもんね。もういってみれば、もう、敵国ですよ。で、向こうのいいようにやられて日本はなかなか手を出せない。そういう状況が続いている中で、まあ、日朝の正常化はありえないと思いますけどね。これがあの、拉致問題が順調に解決する場面、過程においては、そういう日朝正常化に向けた思惑というのは当然あっても良いと思うんですけれども、これは拉致問題が解決しない以上、正常化はありえないというふうに思います。」


 
 ごもっともな回答です。


 しかしここ最近の動きとしては、安倍総理は日朝国交正常化に前向きです。これは米朝対話の予定が一つと、拉致被害者家族からも訪朝要請の声が上がってきたことを受けて、その機運が高まったと判断したからではないでしょうか(拉致被害者家族は訪朝して直接、金正恩に拉致解決の要求をすることが望みであり、国交正常化が望みではないのですが)


 ともかく訪朝については拉致被害者家族からのコンセンサスは取れていたと思われます。被害者家族も年を取り、残された時間がわずかになりつつある中で、圧力で待っていても結果は出なかった。訪朝してでもよいからとにかく結果を出して欲しい、2002年に小泉さんが訪朝して5人を取り戻してきたのだから、訪朝すれば何か変わるのではないか、という想いが感じられます(その他にも要因があると思われるのですが、完全には表には出てきていません)


 拉致被害者家族にはもう、対決姿勢でじっくりと待つ気力は残っていないと思います。


 


安倍首相「日朝平壌宣言に基づき国交正常化目指す」TBS NEWS



TBSニュースが見られなくなっているので、内容は同じだけれどもタイトルの違う他のニュースソース↓



安倍首相、韓国大統領に拉致提起要請=日朝対話再開に期待


 安倍晋三首相は16日午後、韓国の文在寅大統領と電話で約40分間会談し、4月末の南北首脳会談の際に拉致問題を議題とするよう要請した。日朝平壌宣言に基づき、北朝鮮との国交正常化を目指す考えに変わりがないことも伝えた。両首脳は、北朝鮮の非核化を実現するため、最大限の圧力を継続することで一致した。


 首相は文氏に対し、「拉致問題を取り上げてもらいたい」と述べ、北朝鮮金正恩朝鮮労働党委員長との会談で拉致を提起するよう求めた。


 文氏は「北朝鮮が米国だけでなく日本との関係も改善してこそ、南北関係も進展する」との考えを表明。これに対し、首相は2002年の日朝平壌宣言に触れた上で「核、ミサイル、拉致問題を含めた諸懸案を包括的に解決し、国交正常化を目指す考えに変わりはない」と述べ、日朝対話の再開に期待感を示した。



 日朝平壌宣言に基づく国交正常化が表面化してきたと思うとともに、日朝国交正常化は韓国も歓迎しているということをあらためて思い知らされたわけです。
 


 こうして考えると朝鮮半島問題は関係各国が様々な理由でタイムリミットが近づいていると思うのです。



中国は北朝鮮に隣接する東北3省を復興させるまでのタイムリミット。
中国の圧力が加わったことで北朝鮮は内部崩壊までのタイムリミット。
米国は北朝鮮ICBM完成で米国内からの米朝和解の声が上がるまでがタイムリミット。
日本は拉致被害者家族が年老いて金正恩政権が倒れるまで待っている時間がない。


 あと少し時間があれば…、と思うこともありますが、事態が緊迫しないと次の手が出てこないということは往々にしてあります。拉致問題で言えば、日朝平壌宣言という未来の希望を与えたまま、圧力を以って金正恩政権の崩壊まで待つ、ということがそもそもの間違いだったと言えるのではないでしょうか。結果はもうすぐ出るでしょうが、その結論は少し先になるかもしれません。