蓮池薫さん「拉致被害者帰国へ政府の戦略と世論の支持を」
北朝鮮に拉致され、その後、帰国を果たした蓮池薫さんが名古屋市で講演し、「『拉致被害者は死亡した』という北朝鮮の説明は受け入れられない」と話し、残された被害者の帰国に向けた政府の戦略と世論の支持を求めました。
そして、「問題は『被害者8人は死亡した』という、北朝鮮のずさんな説明にある。被害者の安否に関するこうした報告書はでたらめで、絶対に受け入れられない」と語り、北朝鮮が従来の説明を覆すかが最大の焦点だと指摘しました。
そのうえで日本政府に対し、「核問題が前進しても、拉致問題が解決しなければ日本は協力できないという姿勢を堅持すべきだ。と同時に、被害者をすべて帰せば大きなメリットがあると、北朝鮮に具体的に示さなければならない。それでも北朝鮮が誠実な対応をとらなければ、政府が収集してきた被害者の生存情報を使う戦略を立てることも必要だ」と訴えました。
蓮池薫さんの名古屋講演の報道です。
今回は個人的な推測です。話半分にお読みください。
赤字で示したところについて、個人的見解です。
被害者をすべて帰せば大きなメリットがある
(まとめ)
「核・ミサイル・拉致という北朝鮮問題において、金政権は対話出来るような相手ではないという米国と共通の認識を持ち、日米韓包囲網を形成。経済制裁で金政権に内部崩壊(クーデター)を醸成する。さらに国際世論を巻き込み、それを以って中国を引き込むことで、内部崩壊の決定打とする。内部崩壊後、あらたに樹立した北朝鮮の政権と、国交正常化・経済支援と引き換えに拉致問題を解決する」
というシナリオだったと思われます。
・金政権崩壊後の新政権
・もしくは金政権と話の出来る日本政府
という前提ではないでしょうか。
また、金政権と話の出来る日本政府は2002年に日朝平壌宣言を結んだ小泉政権です。(どちらに正義があるかどうかは別として)北朝鮮に戻すという約束を破って拉致被害者5人を日本へ帰国させた安倍晋三が今の総理大臣であり、かつ、米国と経済制裁を強めた政権でもあります。金政権と話の出来る日本政府ではありません。
そして今、金政権と対話をしようとする安倍政権は、相手をしてもらえなくなりました。金正恩は、米国と対話することで、米国経由で日本に要求を飲ませる方針でいます。その行く先が、「拉致被害者は帰らず、国交正常化し、経済援助も延々と行われる」という、日本国民にとっての最悪の結果です。
…上記ブログで参照にした週刊文春の記事は、よく取材したなぁと思います。
赤字で紹介した中で最後に〔北朝鮮が誠実な対応をとらなければ、政府が収集してきた被害者の生存情報を使う戦略を立てることも必要〕とあります。しかし、安倍政権の姿勢は、「安倍総理は拉致被害者が何人いるか分からない(拉致被害者の情報は持っていないですよ、という姿勢)」です。私の個人的見解は、
・蓮池薫さんのもたらした情報含め、日本政府はそれなりに拉致の情報を持っている
・しかし、拉致情報を基に拉致認定してしまうと、取り戻せなかった時に批判される恐れがあるため、情報および情報を持っていることを公開していない
こんなところでしょう。自前の情報で自主的な外交をする勇気のない安倍総理のやりそうなことではないでしょうか。自主的にやる勇気がないので、周辺国に「拉致問題をよろしく」と他国への協力を求めているのです。他国への協力といえば聞こえは良いですが、自分でやる勇気が無いだけです。こういう姿勢に理解を示してはいけません。あくまで「自主的に自国民を取り戻す最大限の努力をしたうえで」行うことでしょう。そうでなければ、他国は誰も協力してくれませんよ。あるとすれば、
・ロシア:北方領土で譲歩する
このぐらいのバーターだったら協力してくれるのではないでしょうか。ちなみに、現宗主国の米国に対してはすでに譲歩しきっているので交渉の余地はありません(反旗を翻すというのは有効ですが、譲歩・バーター・協力とは少々異なります)。
…ところで、拉致問題で他国の協力を得るために、上記で譲歩するといったら、どう思います?