現時点までの拉致問題

拉致問題

 

そもそも北朝鮮は「拉致被害者はこの数人だけだ、あとは亡くなったか越境を確認出来ていない」と言っている。認定拉致被害者ですらこの有り様なのですから、特定失踪者に至っては日朝双方が拉致と認めていないのです。特定失踪者ご家族の藤田さんが納得いくわけがないし、日本国民にとって納得出来る話ではない。

これまでの不誠実な対応、侵略的行為も考えれば国交正常化など言語道断、経済援助などとんでもない話です。平壌宣言を破棄して白紙に戻すべきです。国交正常化を望む勢力は嫌がるでしょうし、脅してくるでしょう。「拉致被害者がどうなってもいいのか」と。

拉致被害者は人質です。拉致被害者だった蓮池薫さん自身がそう考えています。

 

しかし人質救出のための経済援助もまた妙な話です。北朝鮮は全面的な拉致を認めていないのですから、そもそも人質を取り返す交渉になり得ないのです。

北朝鮮が人質の数をごまかそうとしている以上、これは「どれだけ人質を諦めるかという交渉」になります。

 

日本政府の取るべき対応は、

北朝鮮拉致被害者を帰す気は無いようだ。核もミサイルも手放そうとしない。平壌宣言を破棄し、すべてを白紙に戻す。北朝鮮との関係は、今後の態度を見てから考える」です。

 

北朝鮮は失った経済援助の約束を再度取り付けるべく、拉致被害者を増やして様子を伺ってくるでしょう。ここまでやってようやくスタートラインです。ここまでやれ、と日本政府を動かしてようやく始まるのです。

 

 

 先日のツイートです。

 安倍総理が退陣しましたが、日朝国交正常化が最優先の安倍政権が路線を固めてしまったため、誰が総理大臣になっても期待はできないでしょう(もとより期待できそうな候補者もいませんが)。それどころか、トランプ大統領北朝鮮外交を預けた結果、これまで以上に北朝鮮に譲歩することになってしまいました。河野外務大臣(当時)が口を滑らしましたが、北朝鮮の核施設解体費用まで日本が持つことになりました。隠れ中国援助となっている遺棄化学兵器処理事業と同じ運命を辿ると思います(ODAとは別名目の無償援助となり、窓口が軍になり、資金の使途は追及されない形。遺棄化学兵器処理事業の窓口は人民解放軍)。

  

 拉致運動の主流派は変わりなく平壌宣言批判は禁句のままでしょうか?最近は細かい動きまで調べていません。すぐに目に付く言葉は威勢が良いです。

「有田は日朝国交正常化を目論んでいるに違いない」

「石破は国交正常化交渉を行おうとしているのだ」

「調査報告書で日朝国交正常化・一兆円支払いなんて出来るか!」

 

 本当にそう思っているなら日朝両首脳が調印した大元の平壌宣言を批判してください。あれが残っているということは、それらは約束されたままということですから。数年前、拉致運動の主流派が「日朝平壌宣言破棄を言ってはならない」と口封じして回っていると知ったときは意味が分かりませんでした。思えばその時から、安倍総理の目指す日朝国交正常化のための拉致処分は始まっていたのです。家族会と救う会が連名で「国交正常化批判をしない」、と表明させられたのは記憶に新しいです。そして数年経った今でも、拉致運動の主流派では、平壌宣言批判禁止は暗黙の了解です。

※関連過去ブログ

~拉致処分に踏み切った日本政府の圧力~

https://y-watasei.hatenablog.com/entry/70918591

 

 拉致の安倍こと総理大臣が進めることですから、拉致処分も国交正常化も平民の私には止めることはできませんが、ただひたすらに、「拉致運動家すらも拉致被害者を見捨てた経緯」は克明に綴っていこうと思います。

 

 しつこく平壌宣言に拘っていますが当然なんですよ。ただの国交正常化の約束ではないですからね。植民地支配の謝罪と賠償と「今までの拉致の処分」がセットになった、金正日が太鼓判を押した約束です。だからこそ北朝鮮が拉致を認め、5人が帰国できるきっかけになったぐらい、北朝鮮にとって美味しい約束であり、日本政府は国民に言えない内容なのです。北朝鮮の日朝外交でも、朝鮮総連でも、日朝国交正常化推進議員連盟でも、平壌宣言が賛美されるのは当然なんですよ。

※関連ブログ

日朝平壌宣言拉致問題解決を阻害する

https://y-watasei.hatenablog.com/entry/70453824