~逆から考える拉致問題、日朝国交正常化①~

 
 


個人的に、先の展開を想定する方法として、結論から逆に考えることがあります。今回はその例です。


現時点、拉致問題は最悪の結果に向かっており、
・日朝国交正常化をする
拉致被害者はほとんど帰ってこない
・日本が敵国である北朝鮮に、戦後の賠償と称して多額の経済援助を行う
・財源として増税を行う

上記が想定されます。

いずれも日本国民の望む結果ではありませんが、中国や韓国への援助や譲歩同様、過去に起きた事例は対北朝鮮でも起こりえます。

安倍総理が口にし始めた日朝平壌宣言は、日朝国交正常化の約束であり、拉致問題には触れておらず、植民地支配の謝罪と多種多様な経済援助(賠償)を約束しています。この宣言を予定している時点で、最悪の結果が約束されているようなものですが、もう少し慎重に国民を騙す必要があります。

安倍総理側の気持ちになって物事を考えてみましょう。

~どうやって拉致問題解決であると国民を騙せばよいか~


日朝国交正常化を目的とした場合、立ちふさがる問題は、「拉致被害者が囚われたままであること」これがまず大きいと思います。本来であれば、「北朝鮮が拉致を起こす原因を取り除く」「拉致をされない体制を整える」といった、拉致を起こさせない体制を国交正常化よりも先に作る必要があるのですが、あまり気付かれていないので良しとしましょう。国会議員ですら、「拉致被害者が帰ってくるなら国交正常化しても良いんじゃない?」と言っているぐらいです。

経済援助については別途、記述します。

では囚われたままの拉致被害者をどうするか?

①認定拉致被害者:生死を問わず取り戻す
②特定失踪者:存在を黙殺し、取り戻せてから認定する。取り戻せなかった特定失踪者は存在しなかったことにする

この2つで拉致問題を解決することができます。一つ一つ、慎重に国民を騙す方法を考えましょう。


①認定拉致被害者は生死を問わず取り戻す


認定拉致被害者を見捨てることは非常に難しいです。なんといっても「認定」拉致被害者なのですから、最低でも生死をはっきりさせなくてはならず、現時点の様に「生きているはずだ!返せ!」と言っていられるのは今だけです。取り戻せなかったとき、少なくとも、「残念ながら死んでいました」と言わざるを得ない。
総裁選で安倍総理が「拉致問題を解決できるのは安倍政権だけだと私が言ったことはない。ご家族の方がそういう発言をされたのは承知している」と逃げたことが繰り返されるやもしれません。
Togetter拉致問題を解決できるのは安倍政権だけ」

だからこそ、拉致被害者家族を日本政府側に取り込む必要があります。拉致被害者家族の周囲を安倍政権支持の保守で取り囲み、動向を注視しているのはそのためです。

その昔、拉致被害者家族は、拉致された家族を取り戻すよう要求する、国民の圧倒的支持を得た反政府勢力でした。これを取り込めたのは「拉致の安倍」でのし上がってきた安倍総理だったからです。
しかし金正日が拉致を認め、拉致問題が正式に認められ、それ以降の政権で第一次、第二次合わせてトータル最長となる安倍政権が、拉致問題においてなんら成果を挙げていないにもかかわらず、拉致被害者家族は安倍政権側の席にいます。この違和感。
拉致被害者家族は家族を救うことを諦めたのか、それとも批判の声すら上げられないぐらい取り囲まれているのか、それとも「策があるから今は黙って従っていて!」と騙されているのか。
実は3つとも合っていて、相互に関連しているのでしょう。最後の3つ目だけギリギリ証拠になっていません(実に悔しい)。まぁ私はジャーナリストでも公的機関でもありませんので失敗を恐れず言ってしまいます。拉致被害者家族に近い人間が、
「早紀江さんは北朝鮮を許すと言っています!」
「早紀江さんは北朝鮮に援助しても良いと言っています!」
と言っていることに確証めいたものがあります。これ、なんのことか分かりますか?深読みして言えば、
【援助と引き換えに拉致被害者を取り戻す。早紀江さんも(めぐみさんが帰ってくるなら北朝鮮を許すと言っているし、日本政府方針の北朝鮮援助を批判しない、と)了承済みだ。しかし、いま公にしてしまうと国民の反感を買ってしまうので日本政府の策としては言えないのだ。分かってくれるね?君には拉致被害者救出のための北朝鮮援助批判を抑える役割になって欲しい】
※【】内が政府筋からの打診
()内は仄めかしであり政府筋の人間は明言していない

…そのようなことを言われているのではないでしょうか。


援助と引き換えに拉致被害者を取り戻す方法については、以前のブログで挙げた通りです。失敗に終わりました。
北朝鮮に従米を見抜かれた安倍総理

上記の内容が横田めぐみさん帰国に繋がれば「横田めぐみさんの帰国という目的の暗黙の了解」で済みますし、ご家族および支援者がその目的の為に注力することは、致し方のないことでしょう。ご家族はあくまで自分の家族を取り戻すことが最優先課題であり、全体的な拉致問題はベクトルにすぎません。

では、横田めぐみさんが帰ってこなかった場合はどうなるか。もう一度、もう一度、前述の政府筋の人間が言ったであろう発言を()抜きで記載し、その後の展開も記載します。


【援助と引き換えに拉致被害者を取り戻す。早紀江さんも了承済みだ。しかし、いま公にしてしまうと国民の反感を買ってしまうので日本政府の策としては言えないのだ。分かってくれるね?君には拉致被害者救出のための北朝鮮援助批判を抑える役割になって欲しい】

「早紀江さんは北朝鮮を許すと言っています!」

「早紀江さんは北朝鮮に援助しても良いと言っています!」

米朝会談の後、日朝会談が行われる。横田めぐみさん、帰って来ず。日本政府より死亡と発表される。それとは別に、ストックホルム合意前に提示された拉致被害者・特定失踪者・日本人妻の帰国が公表される(合計10数人~)


安倍総理横田めぐみさんが生きて帰ってこなかったことは痛恨の極みですが、不幸な過去を忘れて未来志向の日朝関係を目指すため、日朝平壌宣言に沿った日朝国交正常化をします」

安倍総理横田めぐみさんが帰国できると私が言ったことはない。ご家族の方がそういう発言をされたのは承知している」


安倍ちゃん応援団「小泉政権時よりも多くの拉致被害者・特定失踪者・日本人妻が帰ってきた!批判するのは安倍ちゃんの策を理解していない!」
安倍ちゃん応援団「国交正常化のあとにも拉致被害者はまだまだ取り戻す策がある!批判するのは左翼!」
 
 
いかがでしょうか。あり得ないと思いますか?しかし、安倍政権発足時からずーっと、期待通りにはならない外交と、その都度わき起こる安倍ちゃん応援団による同調圧力がありました。しかも、「前述の中で安倍総理の発言に辻褄の合わない部分は無かった」はずです。開き直れば、安倍総理に期待した周囲が勝手に発言したに過ぎません。
用意周到、本丸にまで辿りつくことの、この難しさ。本丸・安倍総理を守るために、支持者が勝手に討ち死にしてくれるのです。
小泉総理の靖国参拝せずを批判しておきながら、安倍総理靖国参拝せずを批判しない櫻井よしこさん、いかがですか?日韓合意が日本の勝利というくらいですから、拉致被害者が帰ってこないことも日本の勝利ですか?
安倍さんに任せておけば大丈夫!平壌宣言は無効!の救う会・西岡会長、安倍総理が言い出した今でも日朝平壌宣言は無効ですか?
※ちなみに私はTwitter救う会(本家)に一度フォローされてすぐ外されてしまいました。日朝平壌宣言破棄がいけなかったのでしょうか。

日本政府は外国には弱くても、日本国民には強いのです。日本政府に限らず、日本の支配者層ってそうなんですけどね。経団連でデカい面している日本のグローバル企業って外国には弱いですけど、日本国内の下請け搾取は上手じゃないですか。
このような感じで、認定拉致被害者すら丸め込まれるのではないでしょうか。

一生懸命書いていたら認定拉致被害者だけで長くなってしまいました。続きはまた今度、あらためます。