~運まかせの拉致被害者救出にもう一歩を~


 米朝会談が不調に終わりました。日本政府が米国任せの現状ですので、これは幸いなことです。制裁解除となれば一気に日朝国交正常化の流れへ持っていかれ、拉致問題は小さく吹き飛ばされていたかもしれません。とはいえ、日本政府が米国任せで、金正恩政権のままであれば、拉致問題に進展はないでしょう。

 現状の日本政府の対応のままで拉致問題に好機がみえるとすれば、北朝鮮でクーデターが起きることを祈るしかありません。これはオバマ政権時までの日米の対応でした。

金正恩政権とは会話にならない。経済制裁によってクーデターを促し、新政権と核・ミサイル・拉致問題について話し合う」

 

 現在、北朝鮮では経済制裁により、上層部からも金正恩政権への不満が高まっています(奇しくもトランプ政権が強めた北朝鮮経済制裁によるものなのですが。それまでの政権とは違った対中強硬のトランプ政権だったが故に、効果が高まった経済制裁でした)。あと一歩でクーデターが起こりそうな雰囲気です。どうせ日本政府に国民の生命も財産も守る気はないのですから、あとは運まかせで北朝鮮クーデターを祈りましょう。北朝鮮新政権になればなにか良い事があるかもしれません(運が良ければ)

 
 

 3月1日、金正男の息子・金ハンソル氏を保護している「千里馬民防衛」という団体が、「自由朝鮮」と改称、臨時政府を発足させました。金ハンソル氏を擁立しているということは、金日成金正日の流れを組んだ正統性があります。

 

金正男氏息子を救援した団体が「臨時政府」発足を発表 正恩政権の弾圧に対抗 北朝鮮

 
 

 で、この団体。「金正恩独裁体制の打倒を訴え」、「脱北を支援する団体であり」、「脱北者に結束を呼びかけ」、「人権を尊重し、北朝鮮人民を代表する単一で正当な組織だと主張」しています。それなら拉致被害者の脱北を支援してくれるかもしれませんし、拉致被害者は死んだとする金正恩政権を打倒することは日本にとっても共闘できるイシューではありませんか。

 3月1日に臨時政府を発足しているので親日とは限りませんが、手を組めるところは組めばいいのです。現状、日本に対して何も譲歩しない金正恩政権よりはよほどマシです。

 「拉致被害者の脱北をしてくれるなら支援する」と表明しても良いですし、「金正恩政権と自由朝鮮のどちらを日本が正当な北朝鮮政府とするか?拉致被害者を多く帰してくれる人道的な方を日本は支持するだろう」と揺さぶっても良いと思います。このくらい揺さぶれば表では反発、水面下では交渉が活発化すると思うのですが。

 

で、我が国安倍政権のこの団体に対する対応です。

北朝鮮「臨時政府」に論評せず=菅官房長官

 

マレーシアで殺害された金正男氏の息子を支援しているとされる組織が北朝鮮「臨時政府」樹立を宣言したことに関し、「(情報は)承知しているが、コメントは差し控えたい」と述べた。その上で「引き続き北朝鮮に関する各動向について重大な関心を持って情報収集に努めていきたい」と語った。

 

 噂は聞いています、警戒しながら動向を注視します、ということでしょうか。たぶん何もしないでしょう(なんか仕事しないベテラン上司の営業日報みたいだ)