日朝平壌宣言は拉致問題解決を阻害する



 Twitterではしばしば呟いていますが、あらためて日朝平壌宣言自体は拉致問題解決とならない、むしろ処分するような内容である部分について説明します。
 
 
 
平成14917
 
 
 日朝平壌宣言には拉致問題について具体的に記載された部分はありません。しいて挙げるとすれば、
 
3.双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した。また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した。
 
 
 この箇所くらいでしょうか。平壌宣言の内容の大部分を占める植民地支配への謝罪と賠償(経済支援)ほど具体的には触れられていないのです。また、
 
>日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとる
 
 拉致被害者を帰すとは書かれておりません。
 そればかりか、「日朝が不正常な関係で生じた」「今後再び生じることがないよう措置を取る」という書き方が国交「正常化」交渉の延長線上で書かれているということは、分かりやすくまとめると、
「国交が不正常だったから(拉致問題など)遺憾な問題が起きてしまったことはしょうがないよね、国交正常化したら生じないような措置をとろうね」
 
 …と読めるのではないでしょうか。まだ帰国できていない拉致被害者について、しょうがないで終わらせているといっても過言ではありません。事実、北朝鮮拉致問題に関する回答は、帰国者を除く認定拉致被害者は死亡、一名は越境を確認できず、という回答です。
 しょうがないよね、という記載があるわけではありませんが、この北朝鮮の態度はそういうことで収めるつもりなのでしょう。
 
 
 拉致問題の解決を望む国民であれば、日朝平壌宣言拉致問題の進展を阻害するものであり、破棄すべきだと思うのが当然です。「国交正常化はあり得ないから無視しましょう」と言って平壌宣言を温存する人も、平壌宣言を破棄すると交渉の窓口が閉じてしまうのでマイナスだと唱える人もいますが、上手く唆されてしまっているだけです。
 
 
 ちなみに後者の「平壌宣言は交渉の窓口論」は外務省、親北派の政治家が好む騙し方です。
 中山恭子議員がバッサリ切り捨てている発言をご紹介して終わりにしたいと思います。
 
救う会HPより~
拉致も理由に北朝鮮に強力な制裁を-緊急集会報告
 
中山恭子議員―

 「先ほど加藤大臣が、「対話の窓口を閉じない」とおっしゃいました。これは非常に巧妙な言葉です。ずっと以前からこの言葉は使われています。これは戦略と戦術をまぜこぜにした単語です。
 北朝鮮の外務省は全く力を持っていませんから、北朝鮮外務省と交渉して何かを結んでも、拉致被害者を帰国させることは決してないと言っても過言ではないと思っていますが、そのつながりは一旦止めてもらって、これが止まらない限り北朝鮮国内で出先が外務省で続くんです。
 それ以外の人(※1)と交渉しないと、被害者救出はできません。これは私自身の経験からです。日本の外務省は強いかもしれませんが、北朝鮮の外務省は全く力を持っていませんから、このルートが止まれば、北朝鮮と別ルートで交渉ができます。止まらない限り別のルートは出てきません。経験上はっきり言うことができます。
 外務省ルートを止めるということと、北朝鮮と日本の対話の窓口を止めるということは全く違う問題です。外務省ルートを閉じても、北朝鮮と日本との対話の窓口はもっと深い形で続きます。」

 
 
 
※1.それ以外の人:旧国家安全保衛部のこと。2002年、拉致被害者が帰国した小泉訪朝では国家安全保衛部・副部長、ミスターXこと柳京が窓口相手だった。
 
 
 
 Youtube中山恭子議員を検索したらボロクソに叩かれていますね。日朝平壌宣言破棄を言及するのはタブーですから、当然でしょう。